それでも南はとても温かくて、泣きそうなくらい真っ直ぐで。
どうしても、憎むことなんてできない……。
ねぇ、南。
南は、私を、どうしたいの?
私に、どう想ってほしいの。
「……ごめんな」
「……っ」
なんで……なんで、謝るの?
なんで今、南が苦しそうにするの?
昼休みのときに目の当たりにした晴ちゃんの表情と似ていて、目を瞑りたくなった。
「迷惑、だよな」
ちがう。
迷惑なんかじゃないよ。
ちがうから……だから、お願い。そんな顔しないで。
「……俺、帰るわ」
「え……」
「雑用も終わったし、あとは職員室に持ってくだけだろ? 帰り際に俺が持ってくから、お前も気をつけて帰れよ」
やだ。いやだよ、南。
特別なこの時間が、あっけなく終わるなんて。
終わり方がこんななんて、いやだ。
私は、ただ、キミの笑顔が見たかっただけなのに。
「じゃあな」
「あ、待っ……!」
バタン、と。
扉の閉まる音が響き渡った。
心なしか小さく見えた南の背中が、完全に消え失せる。
どうして、こうなっちゃうの……?



