この恋、賞味期限切れ







午後の授業の間、教卓の前の席で真面目にノートをとっている晴ちゃんが、終始視界に入っていた。

久しぶりの授業ということもあってがんばろうと意気込んではいたものの、あえなく失敗。昼休みの晴ちゃんの様子が妙に気にかかり、授業どころではなかった。


私は親友なのに、晴ちゃんのことをまったくわかってあげられていない。

自分勝手に動いてるだけだ。


晴ちゃんは私のことを、いつも大事に思ってくれている。

好きな人のことだって、ずっと待っていてくれたのに。



だめだなぁ、私。


晴ちゃんにばっかり頼りすぎてる。

もっとしっかりしなくちゃ。




「――……つい。おい、松井!!」

「は、はひっ!?」



いきなり耳元で叫ばれ、思わず変な声が出た。

だ、誰!? 何!?



「しっかりしろよ。早くこれ終わらせようぜ」

「……南」



……あ、そうだ。

私たちは今、先生の話を聞いていなかった罰として、居残りで雑用をやらされてるんだった。


もう授業は全て終わり、放課後。
この教室には、私と南の二人きり。


今になってなんだか意識してしまう。

心臓がドックンドックンとうるさく高鳴る。



頼まれた雑用は、資料を重ねてホチキスで止めるというだけの単純作業。

きっと先生がやるはずだったものを、私たちにやらせているんだ。つまり、私たちは先生にパシらされてるってわけだ。くっそう。