この恋、賞味期限切れ




「晴ちゃんは?」

「え? あたし?」

「何か、行動したりする?」

「何かって?」

「舜ちゃんと放課後一緒に帰るとかさ! 私、協力するよ?」

「い、いいよ! そんな、一緒に下校なんて……」



むりむり!と赤面して拒否する晴ちゃんは、お弁当の中からミートボールを取って、もぐもぐと頬を上下させた。

いい案だと思ったんだけどなぁ。



「あ、あたしのペースで、頑張るから……」

「そう?」

「だから……うん、大丈夫」



晴ちゃんがそこまで言うなら……。

無理やり行動させたくないし、晴ちゃんの意思が何より大事だ。晴ちゃんの恋だもん。晴ちゃんなりに、晴ちゃんらしく恋するべきだよね。私がとやかく言うことじゃない。


でも……舜ちゃんみたいな、いつも女子に囲まれてるチャラ男には、積極的にアピールしないと伝わらない気がする。まあ、全部、漫画の知識だけれど。

意外と、舜ちゃんがすでに、晴ちゃんのかわいさにころっと恋に落ちてたりしないかな……?




「憧子! ちょっといい!?」



お弁当を全て食べ終えたと同時に、扉がガラッ!と勢いよくスライドされた。

焦った様子で舜ちゃんが、すぐ近くの席でお弁当を片付ける私を見つける。


おっ。噂をすれば何とやら。


これはチャンスかも! 晴ちゃんのことをさりげなくアピールしてみようかな。

……うーん、でもなあ。
晴ちゃんは自分のペースでがんばるって言ってたし、こういう勝手なアッピールもよけいなお世話なのかな?



「どうしたの?」

「わりぃ! 英和辞書貸してくんね?」

「ロッカーに置いてないの?」

「今日英語あるって知らなくてさ、女の子に貸しちゃったんだよね。あはは〜」