この恋、賞味期限切れ



だけど晴ちゃんの恋はちがう。

これから猛アピールできるし、告白だってまだなはずだ。



「両思いになれるといいね!」



だったら私は、親友の恋をサポートするのみ!

晴ちゃんの好きな人が、幼なじみの舜ちゃん。つまり、できる範囲でなら、協力しやすい立ち位置に私はいる! 恋のお手伝い、お任せあれ!



晴ちゃんには幸せになってもらいたい。


好きな人と、結ばれてほしい。

私みたいに苦い気持ちをたくさん抱えないで。両思いという幸せを、どうか感じてほしいの。



「……うん、ありがとう憧子ちゃん」



晴ちゃんは軽くまつ毛を伏せ、眉尻を下げた。

こころなしか切なそうで、今にも泣いてしまいそうに見えた。


晴ちゃん……?

どうしてそんな表情をするんだろう……。



「……晴ちゃん、どうかしたの? 心配ごと?」

「ううん、なんでもない。やっと話せて嬉しいだけだよ」



……本当に?

じゃあどうして、「嬉しい」と言っているのに嬉しそうじゃないの?



「話に夢中になりすぎて、手が止まってたね。勉強しよっか」

「……そ、そうだね」



聞くタイミング逃しちゃった。

どの問題を解くよりも、晴ちゃんの本音を推測するほうがあまりにも難しかった。


晴ちゃんはまだ何か、隠しごとをしてるのかな……?


全部を話してほしいわけじゃない。人間だもん。話せないことのひとつやふたつあるに決まってる。


でも……。
気になってしまう。

親友だからなおさら。


晴ちゃんは南と同じように優しい。優しすぎるくらい、自分のことをあと回しにする。だからきっといろんなことをためすぎてしまうことがあるんだと思う。

誰かのために。そう思い、黙っているんだろう。


なんでだろう。心がモヤモヤする。無糖の紅茶に角砂糖でもミルクでもなく、苦味の強いカカオを落としたみたいに。


夏の暑さ? 気にしすぎ? それとも……。


せっかくお互いに気持ちを話したのに、すっきりしない。逆に不安になってくる。

いつから私は心配性になっちゃったんだろう。