美しい自然の世界_人間界。



黒い漆黒の空に、星と月が光り輝いていた。
時間は、午後の10時頃で、今は『夜』である。


紅く大きな羽をバサリ、としまい、長く紅い髪をなびかせ、腰の紅玉と紅羽を揺らしながら、紅蘭は『人間』に見える状態にして歩いていた。


妖怪たちは、自分の本来の姿を隠せば、普段は見られない人間に見られることができる。

しかし、人間は誰一人外に出ておらず、家の灯りも消えていた。

今頃が就寝の時間なのかと、紅蘭はつまらなそうに、夜道を彷徨っていた。