高校3年生の女の子、新は真夏のある日に死神と名乗る男と出会う。
伸二というその男は、新の寿命があと10日ほどであることを告げ、最期は任せてほしいと明るく言う。

もうすぐ死ぬことを誰にも言えず、幼なじみである林太郎への揺れる想いや、酒浸りの母親への複雑な愛情を抱えたまま、残された日々を過ごす新。
何も知らない林太郎は率直な愛情をぶつけてくるが、新は素直に応えることができない。

普通の人間とはどこか違う伸二。
彼と過ごすうち、新は自分を囲む、なんでもない日常の価値に気づく。

タイムリミットの時、運命を受け入れようとする新に、伸二は本当にそれでいいのかと問う。
新はようやく、まだ生きたいという願いを素直に口にし、それに応えるため、伸二は自分を犠牲にして新のタイムリミットを吹き飛ばす。

伸二は消え、新は彼にまつわるすべてを忘れ、林太郎と過ごす日常に戻る。
少しの素直さと、日々を愛しく思う気持ちを手に入れて。