〜 松 視点 〜









ガチャ……








店のドアが開き、ドアを見ると……
懐かしい男が立っていた









『なんだい、随分と久しぶりに顔を見せたじゃないかい』




「うっせぇ
俺も忙しかったんだよ…」










相変わらず口の悪い、綺麗な顔立ちをした天使は……

店の中に入ると、カウンターに座った









『それで?
久しぶりに顔を見せた不良天使は何しに来たんだい?』




「久しぶりにアレを食べたくてさ……
あんたが死ぬ前に、食べておこうと」




『本当に失礼な天使様だね…!』










私は、不良天使に珈琲を渡すと……

不良天使は、ミルクと砂糖をたくさん入れて飲みながら話してきた










「……………しばらく見ねぇうちに…
だいぶ老けたな……」




『あんたと比べるんじゃないよ!

50年前と変わらない姿のあんたとね!』









不良天使とは、50年前に出会った……



私が小さな和菓子屋で働いていたら……

この不良天使が和菓子を買いに来たのだ






私は、最初この不良天使を見て……

なんて綺麗な顔立ちをしているのだろう……と思った


本当にこの世の人なのか……と…





それから、この不良天使は何度も和菓子屋に来るうちに

私はこの不良天使と話すようになり、親しくなった





私が自分の店を開くと言うと……

何度も食べに来てくれてた



甘いものが好きだと聞いていたので……

パフェ的なものを作ってあげると


すごく喜んで食べてくれていた






そのときに、私はこの不良天使……
カーラに、いつも何をしているのかを聞いたら……







『俺、元天使なんだけどさー

昔は、人間の様子とか
人間が困っていたら、たまに助けたりしてあげてたけどー


今は、叶い屋っていう
何でも願いを叶える店を元悪魔と一緒に営んでる』







名前からして、日本人じゃないのは理解していたが……

天使と言われたときは……
馬鹿にしているとしか思えなかった




だが、カーラと関わるうちに
カーラは、そんな嘘はつかないと知って

本当なのだと理解した