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「……明石さん、好きです。よかったら付き合ってください」
「えっ」
ほんとに告白だった。
照れたように右斜め下へ落としていた視線をゆっくり上げて、あたしの様子を窺うようにこちらを見た彼は、やっぱり目が合うと気まずそうにしてそらす。
今度は咳払いもつけて。頬をかすかに赤く染めて。
人気の少ない廊下に連れ出され、まさかと思っていたらまさかの。
ほんとに、えっ! である。
……えっ!? 好きです!? この人があたしを!?
「……ドッキリ? ですか?」
「……え?」
「それか罰ゲーム!?」
「……あっ! 違う違う! ほんとに好きなだけ! ……て、普通そうだよね、誰って感じだよね、隣のクラスの、飯田です」
「ほっ、ほんとに好きなだけ……」
「……あっ! いや、ちがくて! や、違わないけど! ……ご、ごめん、あの、いきなり!」
あ、顔真っ赤だ。え、顔真っ赤だ?

