「じゃあそういうわけで石川くん、あたしの悩殺ボディを拝みたくありませんか?」
「ありません」
「海辺でバカップルがごとく海水をバシャバシャうふふあははしたくはありませんか?」
「ありません」
「はあ石川くん尊い」
「こわい」
うっかり涙が出てきそうになるのをぐっと堪えて、そっとハンカチで目元を押さえた。
石川くん尊い。
昼食のおともにミルクをチョイスするあたり、かわいさしかありませんね?
牛乳好きって! かわいいよ!
「喜美ちゃんこの人どうにかしてあげて、親友でしょ」
「いいのいいの、のんちゃんのことは石川くんに譲ったから。ね。私のことは気にせず。ハワイでもグアムでも行っちゃって」
「……」
「明石さん無言で新婚旅行プラン検索するのやめて」
あう。ひきつった顔の石川くんにスマホを取り上げられ、画面を消されてから返された。

