豪快な食べっぷりは見ていて気持ちがいい。
確かに良い人っぽい。よね。
「……あの、あたしのどこを気に入ってくれたの?」
「え?」
「だって話したこともなかったし」
コーヒーカップに口をつけながら、さりげなさを装って聞いたけど実際は心臓がばくばくしてる。
普通、面と向かって自分の好きなとこなんて聞けない。
でも、あたしは飯田くんのことを知らな過ぎて、彼を理解するためには必要なことだった。
「明石さんの好きなとこは、たくさんあるけど、……好きになったきっかけで言うなら」
「う、うん」
「あれ、明石さんじゃん」
「……え?」
ふっといいところで名前を呼ばれて反射的に振り向いてしまったけれど、あれ、の、aの発音であたしには誰なのか分かってしまった。
振り返った矢先でばっちりと合ってしまった目に映る彼。見間違えるはずも聞き間違えるはずもない顔と声。
「い、いいい、石川くん⁉」
なぜここに! の意を込めたつもりだったけれど、石川くんは涼しい顔であたしと飯田くんの顔を交互に見る。

