でも実をいうと、あたしも飯田くんの名前は知ってる。
告白を受けてから、隣のクラスの子に飯田くんについてこっそり聞きに行った。
フルネームと、すごい優しくていいやつだよってお墨付きをもらった。
「……あの、そんなに見られると照れる」
無意識にじっと見つめてしまっていたらしく、顔を赤くした飯田くんに視界を遮られた。
目の前にかざされた手のひらを見つめて、手まで大きいんだなーと思う。
そして、真っ赤な顔で照れる飯田くんを見て、この人本当にあたしのことが好きなのか。と自覚してこっちまで体温が上がるようだった。
そのうちコーヒーとチョコレートケーキが運ばれてきて、それぞれの前に並べて置かれる。
飯田くん一押しのチョコレートケーキは、多分ガトーショコラで、そのサイドに生クリームがたっぷり添えられていた。
「あ、ほんと、おいしい」
「でしょ? コーヒーにも合うよ」
甘すぎないから、生クリームにも合う。
あたしの反応をうかがっていた飯田くんは、嬉しそうにぱっと笑顔を作ると自身もチョコレートケーキをフォークですくい、口に運んだ。
その瞬間、もっと嬉しそうに笑うからほんとにケーキが好きなんだなあと思う。
そして一口が大きい。

