ただしいあなたのころしかた




そんなたわいもない話をしているうちに、チョコレートケーキがすごい美味いらしいカフェに着いて、店員さんに案内されるまま窓側の席に座った。


飯田くんの言っていた通り、うちの高校の生徒らしき制服の人は誰もいない。


BGMにジャズ音楽が流れていて、静かで、お洒落だ。少し緊張する。



「明石さんコーヒー飲める人?」

「うん、好きだよ」



飯田くんはあたしに確認取ると、慣れた様子で店員さんを呼び、コーヒーとチョコレートケーキを二つずつ注文した。


道中、会話して少し緊張はほぐれたけれど、まだまだ慣れない。


歩いている間は顔を見なくてすんだけど、あらためて向かい合って座ると何を話せばいいのか分からなくなりそう。


飯田くんもテーブルに肘をついて、合わせた手を顔の前に持ってくると少し気まずそうに笑う。



「……今日は、ごめんねいきなり。来てくれてありがとう」

「あ、ううん、それは全然」

「改めまして、飯田大輝です」

「どうもご丁寧に……。明石希です」



丁寧に頭を下げてくれた飯田くんに合わせてあたしもなんとなく名乗ってお辞儀したら、それは分かってるよと笑われた。


でも嫌な感じはしなくて、むしろなんかほっとする笑顔。