「美香ちゃんに誓って言える? 絵里を傷つけないって。二度とあんな目にあわせないって」
「友美、私は傷ついていない。それに分かっているわ。もうあんなことにはならないって」
今回は契約だから捨てられる心配はないけれど、契約期間が終われば私は用済みになってしまう。
だけど、捨てられるのではない。私が選んだ道だから悔いはしない……
「絵里を傷つけない。俺と絵里は結婚することにしたんだ」
「結婚?! うそ!」
「時間はかかったけど、俺と絵里は結婚して幸せな家庭を築くつもりだよ。それでも、絵里を傷つけると思う? 俺は絵里を幸せにしたいんだ。世界一の花嫁にしたいと思っている」
尊は私を見てそんな夢か幻の様なセリフを言ってくれた。
きっとこの結婚も契約なのだと友美に知られるわけにはいかないんだよね?
私達は幸せな結婚をしなければいけないのだから。
「本気なの? 美香ちゃんの前で誓えるの?!」
「娘の前で誓えるよ。」
尊は仏壇の前に跪くと手を合わせた。
そして、今度は私の顔を見てまるで誓いの言葉を述べるかのように言ってくれた。
「俺は絵里を幸せにしたい。世界一の花嫁として幸せな時間を過ごさせたい」
「絵里を愛しているの?」
「愛しているよ、絵里」
それが偽りの誓いでも、偽りの言葉でもどうでも良かった。
私にはこれ以上幸せな言葉はなかった。
「尊、私も愛している!」
私の言葉を待っていたかのように尊は私を抱きしめてくれた。
そして尊の抱きしめられる胸で私は思いっきり泣いていた。



