さよならは言わない


バスローブ姿のままで少々気まずい思いはするが、友美を追い返すことは出来ずにリビングへと案内した。

すると、寝室から出て来た尊が何事かとこれまたバスローブ姿でやって来た。

私と尊の姿を見て友美は床に座り込み頭を抱え込んでしまった。


「私がどんなに絵里を心配したと思うの!! 連絡すると言って何の連絡もなくて音沙汰なしなこの状態がどんなに心臓に悪いか二人とも分かっているの?!!」

「友美、ごめんね」

「とにかく、二人とも着替えてきて! そしてことの経緯を私に話して。私には聞く権利があるはずよ。そうでしょう?」

「分かってるわよ、友美。着替えをするから少し待っていて」


バスローブ姿のまま友美と会話することは出来ない為、私と尊は寝室へ戻り室内着へと着替えをした。

着替えを済ませリビングへ戻ろうとしたら尊に腰を抱き寄せられた。

まるで尊に抱きしめられているような感覚で一緒にリビングへと入って行った。

私と尊の仲睦まじい姿を見て友美は大きなため息を吐いていた。

そして、仏壇を見ては複雑な表情をしていた。


「一緒に暮らし始めた時から二人の仲はそうだと思っていたけど、だけど、絵里は本当にそれでいいの? また苦しい思いをするんじゃないの?」


友美は仏壇の前に座ると美香の写真を手にとり私にその写真を手渡そうとした。

でも私には写真を見はしても受け取れずにいると尊が美香の写真を手に取り見つめていた。