さよならは言わない


その日は遅くまで尊とベッドで愛し合った。

我慢できると豪語した尊だったけれど、私の一言で理性も吹き飛び尊は私の虜になったように私を抱いた。

その夜、友美から連絡が入ることになっていたのにも関わらず、私も尊との抱擁に夢中になっていた。

心配してくれる友美のことを考えずに軽はずみな行動をしてしまったと反省することすら今の私には思いつかなかった。


「尊、もう何時間もベッドに入っているのよ。そろそろ起きましょうよ」

「もう少し絵里を抱きしめていたい」


尊は甘えん坊の子どものように私に抱きついていた。

そんな尊が可愛く感じて思わず抱きしめていた。

すると、そんな時に玄関のチャイムの音が響いた。

誰だろうかと思いながら時計を確認すると夜も8時を過ぎ外は真っ暗になっていた。

ベッドから降りようとすると尊の腕に阻まれてしまう。


「お客様よ、尊」

「こんな時間にアポもなしにか?」

「会社じゃないわ。予約なんて入れないわよ」


私は急いで下着を身に着けバスローブを纏い玄関へと急いだ。

一応、モニターで画面を見て来客が誰なのか顔を確認しようとした。

すると、そこには怒りで顔を赤くする友美の姿が写し出されていた。


「友美?!! まって、直ぐに開けるわ!」


ドアホンの通信ボタンを押して友美に待つように言うと急いで玄関の鍵を明け扉を開けた。

すると、そこにはかなり怒った顔をした友美がいた。