「あ、あの子 転入生の!」
「あっ、ほんとだ!なんか怖そー。てか、噂通り不良じゃん!」

「話しかけにくいよなぁ・・・お前話しかけにいけよっ」
「は?何でだよ!」


今日は入学式。新しい制服を着て、少し緊張しながら教室に入ると、みんな一気に私に注目した。

この西川中学校は田舎にある学校で、人数も他の学校よりは少なく、全員が小学校からの仲だ。
転入生は珍しく、1人だけ初対面の私は注目の的だ。

私の名前は 桜咲 杏 (さくらざき あんず)
中学1年生 身長 164cm
背も高めで、小学校の時の友達の影響で髪は茶色でピアスは5つ。
中学1年生でこれでは、同級生に怖がられても仕方なかった。

「黒染めしとけばよかったなぁ・・・。」
小学校の頃は周りに当たり前の様にいたチャラい子達は1人もいない。
それどころか、みんな大人しそうだ。
「友達できるかな・・・。」
自分でも友達をつくるのは、得意だと思うけど、今回は自身がない。そんな焦りを感じながら自分の席に着くと、女子が5、6人駆け寄ってきた。

「あんずちゃん!初めてまして!どこから来たの?」
「彼氏いる?」「髪すごいね!」「誕生日いつ??」
一気に質問が来てパニックになる。
(心配しなくても大丈夫だったなぁ〜)

それから、いろんな子と話して入学式は無事におわった。
入学式は午前中だけだったから、帰ろうとすると
「あんずちゃん!!!一生に帰ろ?」
急いで走ってきたんだろう。息切れをしながら、私に話しかけてくれたのは、藤崎 愛奈ちゃん。1番初めに話しかけて来てくれた子だ。