なみだ雨



どこに行けばいいのかわからない。

とりあえず、
さっき和菓子をいっぱいもらったから、
食べ物には困らないはず、

そんなことを考えながらとぼとぼと、
夜の歩道を歩いていた。

時間を見ようと携帯をポケットから出す。
電池切れだ。

ズキンズキンと響く頭痛。
こめかみを押さえた。

だいぶ寒くなってきた。
明日はもう12月。
雨が降ってないだけ、幸いだった。


なるべく、
家の方には近づかないように歩いていた。
そうすると、
自然と常連さんのアパートの近くに
来ていた。

見たことある風景。
歩いたことのある道。

もうすぐでアパートが見える。
その、角を曲がればすぐだ。

そう思って、足を止めた。

もう、迷惑はかけたくない。

はるかは踵を返した。


とりあえず、家電屋さんで携帯電話の充電器を買って、

「あの…」

携帯が動いたらどこか安いホテルを探して、

「すみません…」

でもお財布の中にはそんなに入ってないし、
ネットカフェとか、そういう場所に…

「あの!」

急に腕を掴まれた。
びっくりした。驚いた。
でも、怖くはなかった。

その相手が、常連さんだったから。