未熟女でも恋していいですか?

「今夜のメシ何?」


「豆腐ハンバーグにするつもりだけど」


「ハンバーグ!いいねー!」


だから、『豆腐』だと言ったでしょ!

私はもう食べ飽きてんの!



「手伝うことあるか?」


「ない。だから、その下地剤をとっとと塗り終えて」


でないと早く追いだせないでしょうが。


「はいはい。パパッと済ませりゃいいんだろ」


「そうよ」


あんたを早く追い出したいからね。



ガチャガチャ…と鍵を開けた。

カラ…と扉を開ける音を聞きつけたかのように高島が私を呼ぶ。



「カツラー」


「何よ?」


高島のいる方へ移動して顔を覗かした。

足場に乗ったままでいる男は、手を止めて私の方を振り向く。


「お前、何でそんなに1人がいいの?アラフォーの一人暮らしなんて、寂しいばっかだぞ?」


火事に遭う前、自分が同じ経験しているからそんなことを言うのか。

それとも、永遠にこの家に住まう気か?


「寂しくなんてないよ。気楽気楽!」


実際一人暮らしを始めて間もなくあんたが現れたんでしょ。

なのに、今更それを言う!?


「ふぅん。本当に1人でいいんだな?」


何の念押しだ。


「いい。それより高島さん、仕事のお金は入ったの?」


私の心配よりも自分の暮らしを気にしなさいよ。


「入ってた!ようやく半分だけ」


「半分だけ?」


何それ!?

そんな支払い方法ってあるの!?