未熟女でも恋していいですか?

「私は仙道さんがその左官工と仲良くやってるみたいだから勧めただけ。前にも言ったけど、やっぱり出逢いって一種の縁だと思うのよ。だから、それを大事にしたらいいのに」


「御免被ります。私は1人でいいの!」


「ほら!その言い方からして無理してる!仙道さんは1人『が』いいんじゃなくて、1人『で』いいっていつも言う。自分では納得してない証拠じゃない!」


鋭い突っ込みを入れられた。


「わ…私、ちゃんと納得しているよ。その上でお一人様でいいと思ってるの。音無さんの気の回し過ぎ!」



1人でないと困る。

男と生活していくことは絶対に難しい。



「勿体ないわー。仙道さん美人なのに」


「お世辞言っても何も出ません」


「お世辞じゃないわよ。目元くっきりだし鼻もまあまあ高いし。…ねぇねぇ、今度その左官工の写真撮ってきてよ!イケメンかどうか見てあげるから!」


「音無さん、ご主人いるでしょ」


「いても関係ないない!目の保養にするだけ!」


「だったらテレビ見てた方がいいよ。期待するだけ損」


ここに高島がいたら「減らず口」と言って不機嫌になりそうだ。

でも、写真を撮るなんてとんでもない。


「ちぇっ、つまらない!仙道さんが救済するくらいだから余程の美形かと思ったのに…」


どういう意味だ。

私は顔で高島を救済した覚えはない。



(だったら、どうして救済したの……?)



第一は、お腹を空かせていたから。


他に理由がある……?



「あっ、仙道さん鐘が鳴り始めたわよ!」