未熟女でも恋していいですか?

自分の中だけでも期限を決めよう。

私がこの家の主人で、あの男はあくまで救済措置をしている客。


馴染んだりしない。


絶対に絆されない……。









「へぇー、朝ご飯をねーー」


いつもの昼休憩。

朝の出来事を聞き、音無さんは感心したように呟いた。


「それでなくてもエンゲル係数上がりそうなのに、驚くくらいお味噌汁が具沢山で参った。それをまたお椀に並々と注いでるのよ。朝からそれだけの量を食べたこともないのに!」


和食のアメリカンサイズだと言うと、音無さんはケラケラ笑った。


「味噌汁のアメリカンサイズ!?凄そうね!」


笑い過ぎて涙を拭いている。


「実際凄かったのよ!普段の3倍くらい食べた気分だった…」


「でも、美味しかったんでしょう?」


「えっ…そ、それはまあ、程々に…」


母の作ったお味噌汁の味に似ていた。

アオムシは腹ペコだけではなく、料理も上手いらしい。


「ふぅん。味にうるさい仙道さんの舌に適うなんて大したもんじゃない!やっぱりそのまま一緒に暮らしちゃいなさいよ!」


「いやっ!駄目っ!!」


いつも以上に声を張り上げてしまった。

離れた場所で食事をしていた生徒達にも聞こえたらしく、驚いた顔で振り向かれた。



「そんなに強く否定しなくても……」


音無さんが呆れる。


「だって…音無さんしつこいもん」


自分の胸の動悸を治めながら話す。