未熟女でも恋していいですか?

イライラしながら冷蔵庫内にある食材を刻む。

それがほぼ終わったところで、解凍完了の合図があった。


レンジの扉を開け、保存容器に入ったご飯を取り出す。

ほかほか…と白い湯気が立ち上るご飯をボウルに移し替え、その中に刻んだ具材を混ぜ込んだ。



(…とにかく早く!少しでも早く追い出す!)



頭の中にはそれしかない。

可愛くもない30代半ばの私は、悶々とした思いを持ちながらご飯と具材を混ぜたものを結んだ。





「はいっ!これを食べたら出てって!」


昨日からこの言葉を何度言っているだろう。

いい加減口にするのも嫌だ。



「むすびか。有難い!」


高島は軍手を取って寄ってくる。

おむすびの乗った皿を手渡し、さっと間を空けた。



「頂きます!」


右手を立てて拝む。

食べ物に対してだけ行儀がいいところは妙に呆れる。


青菜の漬物とシラス、それに母が漬けた梅干しを1個刻んで混ぜただだけの簡単なものを二つ。


そのすぐに無くなってしまいそうな量のご飯を、高島は美味しそうに頬張って食べた。




「旨かった!生き返った!」


皿を返しながら指を舐めている。

おしぼりを手渡したい気持ちを抑えながら、「早く出てって!」と言おうとしたら……



「これで次の作業ができる」


「えっ…」


耳を疑う。

そして、目も疑った。