(こんなのに絆されては駄目。1人で生きると決めてるじゃないの)


本職の教員になれると決まったあの日からずっと、男には頼らないと決めてきた。


だから。



(この男は追い出す。例え、母の遺影が微笑んでいても)



睨みつけるように後ろを振り返った。

和室の中で眠り込む高島 望の姿を想像しながら、ぞくっと寒気が走るのを覚えた。