未熟女でも恋していいですか?

「えっ……あの生徒に会ったのか!?」


祝杯を上げた後、思いきって聞いてみた。


「うん…。正確には見かけただけなんだけど……」


ナイフとフォークを手に肉の塊を切る。


カツラはさっきとは別人の様な表情で、落ち着いた口調で続けた。


「奥さんと子供が一緒だった。3人で幸せそうに笑ってて……最初はちょっと悔しかった……」


自分はずっと恐怖を閉じ込めたままだったのに、生徒だった男は新しい人生を見つけて歩んでいる。


「若さ故とは言っても歯痒かった。どうしてそんなに笑っていられるのって、大声で叫んでしまいそうだった。でもね……」


切れ分けた肉を皿に移した。

上からボルドー色のソースをかけ、目の前に差し出された。


「笑って人生を歩んでいるならいいと思えたの。私も今、やっと幸せになれたから…」


食べましょ…と箸を勧められた。



「あ、ああ…」


呆然とする俺を尻目に、カツラは肉の端を齧った。


「んっ!」


一口目を噛み終えた後、目を丸くして微笑んだ。


「美味しいー!」


自分で作っといてそれを言うか。



「…望さん食べた!?えっ、まだなの!?」


呆れる様な顔つきだ。


「食べるよ。急かすな」


特別な日くらい味わって食わせろ…とばかりに噛り付いた。



「っうめぇー!!」


「ねっ!?そうでしょ!?」


カツラが満面の笑みを浮かべる。


「うん!マジで旨いっ!!」


やっぱ牛肉最高!……じゃねぇ、カツラの料理最高っ!!