未熟女でも恋していいですか?

(お願いしてみる?私のこと、抱いて下さい…って……)


考えてる側から顔が熱くなった。

悟られてはいまいか…と、相手の方を振り向く。


(良かった。ご飯に集中してる…)


食べてる時の高島は箸の音が喧しい。

でも、美味しそうに食べている姿を見ているだけで、こっちは何だか気持ちが弾む。



「カツラの卵焼きは旨ぇな」


一口サイズが大きいんだから。


「それ、お母さんから教わったの」


「じゃあ仙道家の味ってこと?」


「そうなるわね」


家族も巻き込んだ会話も増えた。

高島のご両親は、自宅で喫茶店を経営しているらしい。



「長年やってた会社勤めを辞めて、念願だった珈琲ショップを始めたのは2年くらい前かな」


話してくれたのは、あの思いを伝えてくれた日の翌日だった。

専門学校を辞めた後、ご両親と喧嘩して家を出たらしい。


「その後のことはあんま話せねぇ。下らなさ過ぎて恥ずかしいから…」


その代わり…と言って、左官の師匠だという人のことを教えてくれた。


「家出した頃に世話になってた人で、宮大工をしてるんだ。何もしねぇで遊んでる俺を見て、『手伝ってくれ』と言われたのが始まり」


左官の仕事は意外にも楽しくて達成感があった。

壁一枚と言えど、塗り方一つで変わるんだ…と教えられたそうだ。


「いい人でさ。俺みたいなどうしようねぇ奴らの面倒見るのが生き甲斐だって言ってた。でも、そのお陰で今の俺がある」