未熟女でも恋していいですか?

「おっさんとこが嫌になって飛び出したのはいいが、頼る宛もなくて困ってた。あのくそ坊主の野郎、左官料払わねぇから余計でも恨みが増して…」

ブツブツ文句を言う俺を笑う。

この笑顔が間近で見られるようになった時は、本当に嬉しかった。



「……カツラ」


笑ってた声が止まる。

不安そうな表情を見せて、「何?」と答えた。



「さっきの質問だけど、お前、俺のことが好きか?」


鳩のように丸くなった目線が彷徨う。

怖がってるのとは違う雰囲気で、きゅっと肩を窄めた。



「そ…そうかもしれません……」


自信なさそうに答える。

そう言った端から頬を赤く染めた。


初めてこの家の中で見た時のカツラを思い出した。

大人ななのは顔だけで、擦れてねぇな…と思った。


どこか純情さが漂ってた。

通勤の服装も地味で暗いし、そう言えばいつも俯き加減で歩いていた。



「はっきりしねぇ答えだな」


曖昧な感じにイラついた。

こっちの気持ちを先に教えてもいいが、引かれてしまっても困る。


カツラと過ごした最初の1週間は、意外にも楽しくて面白かった。

いつも表情は頑なで、あまり笑顔は見せてくれなかったけど。


……一緒に仏壇を拝んだ横顔が幸せそうに見えた。

両親の愛に包まれて、何一つ不幸を知らずに生きてきたんだろうな…と感じられた。


なのに。