未熟女でも恋していいですか?

「高島さんって嫌いな物ないの?」


前に辛いものを出しても平気だった。


「ねぇな。食べ物に関して文句言うなって言われてきたし」


「誰に?」


「婆ちゃん」


「えっ!?お婆ちゃん!?」


「そっ。俺んとこ親が共働きでさ、婆ちゃんが毎日メシ作ってくれたんだ。だから、何出されても文句言うなって言われてきた」


初めて家族の話を聞いた。

そう言えば、こんな会話したこともない。


「お婆ちゃんお元気なの?」


「まぁ、かつがつ」


「何歳なの?」


「85過ぎてる」


「そう。長生きされてていいわね」


還暦を迎えて直ぐに亡くなった母を思うと羨ましい。


「そんなに良くもねぇよ。物忘れも酷いし、俺のことも時々忘れてる」


「何処に住んでるの?そう言えば高島さんの実家は何処?」


何も知らなかったんだ…と思いだした。

箸を持っていた高島は手を止め、私の方を向いた。



「やっと俺に興味を示したな」


「えっ?」


「今までちっとも聞こうとしなかったろ」


「えっ…でも、それは個人情報だし…」


プライベートをあれこれ聞いてはいけない気がしていた。

そもそも、そこまでの関係でもなかった。


「俺のこと知ろうとしないから自信無くしかけてたけど、今の聞いて安心した。色々と教えてやる。でも、今はメシを食おうぜ」


大きな口を開けてコロッケを放り込んだ。