未熟女でも恋していいですか?

「お、お子様で悪かったわね!」


認める以外に術がない。

悔しいけれど、その通りだ。




「行こうぜ」


川縁の道を歩き始める男の背中を追う。


今日が最初で最期の記念日。

未熟なまま大人になって、初めて誘われたデートだ。



「どこ行く?」


「その前にこの車は誰の?」


黒のスポーツカーを指差した。


「俺のに決まってるだろう」


当たり前の様な返事。


「で、でも、いつもの軽トラックは!?」


「あれは仕事専用。女を乗せて遊びになんて行けるかよ」


「早く乗れ」と促し、運転席のドアを開ける。

つられる様に助手席のドアを開けかけ、ぴたりと手が止まった。



「…どうした?」


中から高島の声がする。

騒つく動悸を確かめながら、ゆっくりとドアを開けていく。



(大丈夫……この人は何もしてこない……)



暗示をかけながら祈りつつ乗った。

軽トラックよりも密閉性の高い車内で、高島はハンドルのロックを解除する。



「…どこへ行く?」


改めて聞き直されて迷う。


「お……美味しいもの食べに行きたい!」


隣にいるのは『腹ペコだったアオムシ』

だから、やはり食べ物繋がりでいこう。



「旨いもんか。だったら蕎麦でもいいか?」


「うん!大好き!」


元気のいい声が出た。


「ぷっ!ガキくせ!」


あははは!と声を響かす高島が好き。

気持ちがどんなに揺れてても、やはりそこだけは変わらない…と実感した………。