未熟女でも恋していいですか?

「はっ、はっ、はっ、はっ、はっ、はっ……」


短い呼吸を繰り返しながら、何とか少しずつ治っていく心音に安心する。


でも………




(どうしよう………)



見えてなかった感情を思い知ってしまった。


自分には拭いきれない恐怖があるのに。




唇を噛み締めながら玄関の鍵を開けて中へ入った。

カチャ…と鍵を閉めた音を確かめて仏壇のある部屋へ急ぐ。




「お母さん……」


座り込んで話しかけた。

父の遺影もあるのに、語りかける相手はいつも母だ。


母はいつも相談相手になってくれた。

あの未遂事件以外は、全て母に話して聞かせてきた。


だから………




「どうしよう………高島のことが好きみたい………」



呆れる程絆されてしまったいるのに気づいた。

この間から気になっていたのも、高島に会いたくて仕方なかったからだ。



高島が怖かったんじゃない。

この気持ちに気づくのが恐ろしかったんだ。



好きな人ができても、触れられると発作が起きそうで怖い。

だから、無意識のうちに怖さをすり替えようとしていた。



でも……これからはもう………



「どうしよう……もう誤魔化せない………」



困惑する私を写真の母が笑っている。

隣にいる父と一緒に向こうの岸辺で何と言い合っているのだろう。

2週間もすれば36になる私のことを、青い果実のように笑い合っているかもしれない。