未熟女でも恋していいですか?

「もう一杯飲め。今度は程よい加減だから」


空になった器の中に並々と注がれる。


「あっ…もうい……」


答えると同時にお茶が溢れ返った。



「やばっ!」

「大変!」


慌てて握りしめていたハンカチを差し出した。



ドキン…!と大きく胸が震える。

偶然にも自分の手に重なった高島の手が、すごく温かだった。



驚きのあまり声が出せなかった。

きゅっと苦しい胸の痛みを感じて、思わずサッと引っ込めた。




「悪いっ!」


ハンカチと同時に出した布巾で畳を拭きだす。


その仕草を眺めながら、怖いと言うよりも違う感情が湧き出た。




(あっ………)



覚えのある気持ちを思い出して押し黙った。

畳を拭いていた高島は顔を上げ、私の方を振り向いた。



「大丈夫か?」


目を見開いたままでいる私の顔を覗き込む。



「だ……大丈夫……です……」


鼻にかかった声を聞き、眉根の皺を深める。


「本当か?気分悪くねぇ?」


疑っているのか、それとも純粋に心配しているだけなのか。



「わ…悪くない。平気だから……」



転がっていた茶器を持ち上げる。

あれ程震えていた指先は、微かに振動しているだけだった。



「貸せよ。淹れ直してやる」


掌を広げ、茶器を乗せろと指示する。



「もう要りません。ありがとう…」


茶器を掌に乗せた。