未熟女でも恋していいですか?

「だって…前に魘されてたし…」


ドクドク…と鳴る鼓動がお腹の上で響き渡る。


「触られると気分悪くなるって言ってただろ。だから怖いのかな…って……」

「き、気のせいよ!」


畳み掛けるように否定した。


「怖くなんてないから!…それで気分悪くなる訳じゃないっ!」


「じゃあ何でか言ってみろよ」


「そ、それは……」


ガクガク…と手が震える。

あの日のことを考えずにいようとしているのに、返って鮮明に思い出してしまう……。



「カツラ…」


高島の手が伸びる。




(怖い………お願い…………寄らないで………!)





「イヤぁぁぁぁぁ……!」



叫び声を上げて自分を抱きすくめた。

身体中が氷の中に居るみたいに冷たい。

ガチガチと歯が鳴って、腕も肩も指先も全部が震えて止まらない。




「……怖いんだな…」


寄ろうとしていた男が後ずさった。



「何でだ?」


理由を話せというような顔をしている。



(駄目……話したら駄目………!)



自己暗示にかけながら頭を横に振る。

高島はチッと舌を打ち鳴らし、それでも諦めたりしない。


「聞いたことは誰にも話さない。一生口を噤んどいてやるから話せ。仕舞い込んだりするな」


低い声だけれど怒っている感じはない。

じっと見つめている目も、何処か守られている様な気がする。