これ以上ないくらいのお一人様。
家族がいるなら一緒に来ている。
「結婚のご予定は?」
「何もありません」
結婚どころか、恋もまともにできない体質だ。
「お美しいのに勿体ない。いい人は1人もいないのかね」
世の中の男共はつまらん…と仰られる。
「いいんです。一生1人で」
それが何より平和だと分かっている。
何もかも、今更いいと思う。
「良くはありませんぞ!」
きっぱりと言い切る住職に目を向けた。
「藤さんのお母さんはそんなことを望んでなどいなかった」
「母が!?どうしてご存知なんですか!?」
瞬きをして聞き返した。
「お母さんとはよくお堂の中で会いましてな。その度に貴女の話になってたんです。嫁にも行かず1人で家にいる娘が心配だ…と」
失礼して足を崩しますぞ…と言われ、ご住職は胡座をかいた。
「誰かと結婚して家族を作ってくれればいいのに…と仰っておられた」
初めて聞いた母の本音に愕然とする。
ぽかんと口を開けている私に微笑みかけ、住職はこんな話もした。
「去年の夏頃でしたかなぁ。寺の壁塗りをしていた男に冗談交じりで言っておった。『うちの娘と一緒にならない?』と…」
「ひ、酷いですね。私の居ないところで……」
「はっはっはっ。そう言いなさんな。お母さんはそれ程ご心配だったんですよ」
「でも、その言われた方はご迷惑だったでしょう?」
家族がいるなら一緒に来ている。
「結婚のご予定は?」
「何もありません」
結婚どころか、恋もまともにできない体質だ。
「お美しいのに勿体ない。いい人は1人もいないのかね」
世の中の男共はつまらん…と仰られる。
「いいんです。一生1人で」
それが何より平和だと分かっている。
何もかも、今更いいと思う。
「良くはありませんぞ!」
きっぱりと言い切る住職に目を向けた。
「藤さんのお母さんはそんなことを望んでなどいなかった」
「母が!?どうしてご存知なんですか!?」
瞬きをして聞き返した。
「お母さんとはよくお堂の中で会いましてな。その度に貴女の話になってたんです。嫁にも行かず1人で家にいる娘が心配だ…と」
失礼して足を崩しますぞ…と言われ、ご住職は胡座をかいた。
「誰かと結婚して家族を作ってくれればいいのに…と仰っておられた」
初めて聞いた母の本音に愕然とする。
ぽかんと口を開けている私に微笑みかけ、住職はこんな話もした。
「去年の夏頃でしたかなぁ。寺の壁塗りをしていた男に冗談交じりで言っておった。『うちの娘と一緒にならない?』と…」
「ひ、酷いですね。私の居ないところで……」
「はっはっはっ。そう言いなさんな。お母さんはそれ程ご心配だったんですよ」
「でも、その言われた方はご迷惑だったでしょう?」

