未熟女でも恋していいですか?

「お墓参りが気晴らしですか。面白い考え方ですな」


愉快そうに笑うご住職の年は何歳だろう。

80歳前後?

それよりもう少し上?


「良かったら本堂へお越し下さい。お茶の一杯でもお淹れします」


「ありがとうございます。…では遠慮せずに伺います」


暇が潰せるなら何でもいい…とついて行った。




「…あら、壁が真っ白になってますね」


前からこんなに白かっただろうか。


「ああ、この最近塗り替えたんです。あちこち穴も開いていたし」


「へぇー…」


壁を見る癖まで付いたようだ。

これと言うのも、高島と出会ったせいかもしれない。





「どうぞ」


茶柱の立ったお茶を勧められた。


「頂きます」


お辞儀をして茶器を手に取る。

そ…と唇をつける。

熱そうだな…と思ったけれど、その通り。



「熱いものは苦手ですかな?」


住職の顔が笑っている。


「お子様ですから」


アラフォーだけど。


「可愛いことを言いますなぁ」


穏やかに笑われる。

誰かと居ると安心する。

一緒に笑うと心が絆されていく。



「……どうかしましたかな?」


「あ……いえ、何でも……」


お茶を啜って誤魔化した。

今、心の中に浮かんできた人がいた。



「……不躾なことを伺いますが、藤さんはお一人様ですか?」


思い立ったように質問された。


「え?ええ…」