未熟女でも恋していいですか?

「トルコキキョウとかすみ草。あ、それとガーベラも2本下さい」


翌日の朝、菩提寺の近くにある花屋でお供え用の花を見立てた。


「ありがとうございます!」


元気のいい店員に見送られて行く先は両親の眠る納骨堂。



(色気も何もないわね…)


我ながら乾いた笑いしか出てこない。



セメント作りの冷たい建物の扉を開けて中に入る。

音も何もないお堂の中は、まるで自分の家のようだ。



(でも、此処の方が住人が多い…)


私は1人。

此処は沢山の死者がいる。


鎮座している仏様に手を合わせてから両親の元へ向かう。

納骨の場所は、「窓から光が差すのよ」と生前母が言っていた。


買ってきた花茎を短く切り落として活け、手を合わせる。



「南無阿弥陀仏…」


形見の数珠を手に掛け、立ち上っていく線香の煙を見つめた。



「…っすん」


これもすっかり癖だ。





「……おや。誰かと思ったら仙道さんとこの……」


キィ…と重いドアを開けて入ったきた人に声をかけられた。



「ご住職様!」


丁度良かった。

ご挨拶しておきたい人が来た。



「その節は大変お世話になりました」


深々と頭を下げる。


「何の何の。ご縁があってお参りをさせて頂いただけです」


腰の低い方だ。

やはり母が言っていた通り。


「ご両親へお参りですか?」


「はい。今日から仕事も休みなので気晴らしに」