【優伊side】
ーーー2日前。
ばばばばば、と風を切る音が聞こえると母さんがいつも帰ってくる。
案の定。
「ただいまーー!私の可愛い息子たち!」
耳に響くハイテンションな声が廊下から聞こえてきた。
相変わらず自家用ヘリコプターで行き帰りしている母。ちなみにさっきの音は着陸時に発される。
「母さんお帰り」
「お帰りーー」
響にぃこと、響也の後に返事をして振り返ると
「母さん、その人誰?」
見知らぬ男性がいたーーー
目尻が垂れていてとても優しそうな人だ。
「ママ、この人と再婚しようと思って!」
「あ、そうなんだ。ふーん。」
え!ーーいやいや響にぃ反応ちがくない?
「マジですか?」
「イエース。まじまじ↑↑」
MA.ZI.KA!!!
「紹介します。平山 匠さんでーす!」
平山……?
「こんにちは。君は優伊くんで…君が響也くんかな?」
「あ、はい」
「はい、そうです。」
「そうかそうかー。」
「今後の話とかいろいろしたいから、皆呼んで来てくれる?」
母さんに言われ俺の兄弟たちが集まるとさっそく母さんが話をはじめたーーー。
「ーー匠さんは、シングルファザーなの」
「それって…」
「私には、優伊くんと同い年の娘がいるんだ。」
俺と同い年?
「平山 さゆり。知ってる……?」
ーーーー春から俺の兄妹となる君。
それは【高嶺の花】と呼ばれている、隣のクラスの美少女。
平山 さゆりだった。