「おねぇちゃん!僕のプリンあげる!」
涙目の昇くんがこちらへかけてくると、
残ったひとつのプリンを私に差し出した。
「…え、と…昇くんが食べたいんじゃ、ない…?」
そういえば、さっきの喧嘩の中で『おねぇちゃんにあげるのー!!!』と昇くんが叫んでた気がする。
本来はもうひとつの方をくれる予定だったのかな…?
「本当は…一番美味しい方をあげるつもりだったのに…海にぃが取っちゃったの…
だから僕のあげる…」
「…ありがとう…でも、昇くんのプリンなんでしょう…?
昇くんが食べた方が…」
「ううん。あげる」
そういって、昇くんが頑なに首をふるとグイッとプリンを押し付けてきた。
そんなにもの惜しそうな顔で見られると…もらいにくいよ…?
「貰ってあげなさいな」
