「琢磨は照れ屋なの」
ふーん…。
「てれてれてれ、ててて、照れ屋、照れ屋〰〰♪♪」
「意味わかんないし…」
「作詞作曲、俺だからね」
ハハ…
「琢磨くん、大丈夫…?」
手を差し出すと、少しためらいながら私の手を取って立ち上がる。
「サンキュー…」
「…うん…」
琢磨くんの顔は相変わらず赤いままで『可愛い』と思う私がいた。
「良かったなー平山と話せて」
「だまれバカ兄貴」
「俺、学年次席ですから。それに琢磨よりは全然頭いいですからー」
「次席(笑)主席じゃないんだ…」
「英語学年ビリの琢磨に言われたくないですわー」
なんだ…?この意地の張り合い……。
ーーーポタリ。
ふと頬に冷たいものが落ちてくる。
雨…?
げっ!
山の向こうから入道雲がこっちに迫って来てる。
「ふ、二人とも帰ろう…!今すぐ」
「「ああ!!やべ!」」
明らかに黒い雲をみて、二人が悲鳴を上げた。
「…雷にうたれる……!!」
「山の近くは天候が変わりやすいって忘れてた!!」
「絶対間に合わないって!どうするよ」
「あ、雨宿りは……?」
「ここら辺、田んぼしかねぇよ!」
大ピーンチ。
あわあわしてるとドンガラピッシャーンと近くでフラッシュして落ちた。
「や、やべっ!金属外さねぇと!!」
うわ…!
「琢磨落ち着け!ベルト外すな!金属、雷、平気」
なんか二人とも大変なことになってる。
とーーー。
ざぁあぁあぁーーーー
私たちの上を雨雲が通過。
びしょ濡れな私たち。
「なんか俺たちアホらしいな……」
焦るのは止めて、ゆっくり家に帰りましたとさ。