「春休みにおばさんの別荘にいくんだけど、家族で行くことになったから」
つまり…
「平山も一緒な」
………
「おとうさんも行くんだよね…?」
「もちろん」
「…分かった…行く」
桜井くんの顔を見ると、ニコニコしている。
「楽しみだなー。これから宜しくな妹」
「うん」
素っ気ない返事に対して気にせずひたすら話しかけてくる桜井くん。
私には彼が、なつっこい子犬のように思えた。
「ーー平山の家、ここなんだ?」
「うん」
ってあれ………?
「え、なんでついて来てるの……?」
桜井くんの家って反対方法じゃないのかい?
「あーうん。送った」
送ってくれてたの…!?
「ご、ゴメン」
「いやいや、勝手についてきただけどね」
……一理あり。
「じゃあ、また明日」
そう言って桜井くんは手をふる。
少し戸惑いながら振り替えすと
ーークスリ。
微笑して、その場を離れていった。
