……はぁあああ。


なんで。なんで。


怜都と一緒に泊まるとか! 寝るとか!


考えただけで心臓がおかしくなりそう……。


さっきから顔が熱い。


怜都はどうせ、何も思わないでしょ?


幼なじみだもん。昔は、当たり前のように添い寝ができたもんね。


先に部屋を出て行った怜都の後を追って、親たちがいる階下へと向かった。


途中、怜都の顔を盗み見てみたけど、その表情からは何も読み取れなかった。


少しは意識して欲しい。


……ただの幼なじみなんかじゃいやだ。


矛盾した気持ちを抱えながら花火の準備をした。


持ってきた花火は、本当にたくさんの種類があって、かなりの量がある。



「どれにしよう……」



ひとり悩んでいると、横から手が伸びてきて。



「俺、最初はこれー」



彼の手によって抜き取られた花火は、勢いよく燃えるものらしい。


色も綺麗そう。


あたしも同じ花火を手に取り、ロウソクへ近づけた。



「怜都! きれい!」


「あ、優帆もそれ? きれいだよなーっ」



しばらくはとてもきれいなんだけど、やっぱり消えてしまうと儚いな。



「優帆」


「どうしたの?」



いつになく真剣な声色で名前を呼ばれ、なんだか不安になった。



「この花火みたいにさ、俺たちの関係も……消えちゃうのかな」