朝、郵便受けを覗いてみると翔から手紙が届いていた。
随分と久しぶりだ。

爽やかな水色の封筒を撫でながら和泉は友人の顔を思い出す。
高校の時は毎日のように会っていたのに、会わなくなると本当に会わない。
とても遠くへ行ってしまった気もするし、そうでもない気もする。
不思議だ。

手紙はいたって普通の内容だった。
元気でやっている。
色々と大変だ。
軍にいるからか、最近の世界情勢について少し長めに語られていた。

最後に来月帰ってくるからどこかで会わないか、と書かれていた。
多分これが言いたかったのだろう。

和泉は翔の手紙を鞄に入れると、背筋を伸ばして歩き出す。

今日は大谷から誘われている。
どこに行くかは秘密だと言われ教えてくれなかったが和泉はぶっちゃけどこでも良かった。
大谷と一緒にいるのは楽だ。
翔とはまた違ったタイプで、物静かでそこまで会話は弾まない。
沈黙も多いが、その時間もまた心地良いのだ。


歩いてる途中、通り過ぎる店のガラスで自分の格好をチェックする。
今日は白いニットのワンピースだ。
フワフワとした印象の甘めのワンピースは和泉の好みではないが男はこういうのが好きらしい。
守ってあげたくなるような、庇護欲を唆るらしい。

普段は男ウケなど全く考えない和泉だが、今回ばかりは別だ。
どんな手を使っても大谷という好条件を手に入れたい。

前髪も直してよし、と意気込むと和泉は前を向く。