「大谷さんは、どうして寺田さんと友達なんですか?」
「そりゃあ、あいつと仲良くすれば得だと思ったからさ。」
当然のように言われた言葉に、和泉は慌てて周りを見る。
寺田総馬が聞いたら怒りそうだと思ったからだ。
しかし言った本人はケロリとして「総馬も知ってるぞ」とのたまった。
まさか、と和泉が彼を見れば「本当さ」と笑いかけられた。
「総馬には軽蔑はされたがそれっきりさ。」
「……なんで寺田さんだったんですか?」
「あいつは高校の時から頭が良かったからな。うちの高校でもトップレベルだった。その上顔も良いし運動も出来る、つるんでおいて損はないだろうから。」
サーモンのマリネを一口食べて大谷はそう言う。
賢いけど、良い奴ではない。
寺田総馬が言っていた言葉はこういうことだったのか。
「というか、和泉さんも分かってるだろうけど総馬の友達って大体俺みたいな奴だと思うよ。損得勘定で動いてることを本人に言うか言わないかの違いでしかない。」
「そんなものでしょうか。」
「そうだよ。あいつが俺のことをどう紹介したのかは知らないけど、俺らは友達だと言ってもこっちが損をすると思ったら即関係を切るような仲でしかないからな。」
特別な友人だと思っている相手からこんなことを言われて寺田総馬も可哀想だ。
和泉はそう思いながらキッシュをもぐもぐと食べた。


