「もう一回お願いします。」

「和泉さんが言ってたことの意味を知りたいんだが。」

「はぁ。」


向かいあった寺田総馬は真剣そのものの顔つき。
和泉は目をパチクリとさせる。
ウェイターが近づいてきて注文を聞く。

コーヒーと、ミルクティー。
和泉は勿論ミルクティーだ。

ウェイターが去ってからも、寺田総馬は黙って和泉を見つめている。

信じられないが、これは、もしかして。
和泉は恐る恐る口を開く。



「私の言ったことの意味を聞くためだけにここまでしたんですか?」

「そうだが。」

「フェラガモの靴も買ってくれると?」

「そうだ。男に二言は無いぞ。」


ふー、と和泉は一つ溜息をつく。
頭を抱え、何と言ったものか暫し悩む。


「……トータル馬鹿か。」

「ん?なんだ?」

「いえ、話を聞くためだけに八万以上する靴を買うなんて頭がどうかしてるのかと思って。」

「和泉さんは失礼だな。分からないことが気持ち悪いだけだ。」


自分に対する他人の見解は気になるものだろう?と同意を求めるように寺田総馬は力説する。

運ばれてきたミルクティーを口に含みながら和泉は呆れて目を細める。