「誰とでも仲良いってことは、誰でもいいんでしょう?」

和泉は思わず寺田総馬にそう言い放っていた。

別に和泉だって翔を特別大事だと思っていたわけではない。
なんとなくウマが合う奴だくらいにしか思ってなかった。

でも、和泉の中で翔は他の知り合いとはほんの少しだけ違った位置にいる。

親友だ、なんて声を大にして言えるような間柄ではないし、翔にとってもそうだろう。
翔にとって大事な人は別にいるだろうし。

だけど、高校のクラスメイトとか、大学で知り合った友人とはちょっと違うのだ。
ほんの少しだけ、特別な友人といったところか。

翔にとっても和泉がそうであってほしいと思うが。


カタリと席を立った和泉を寺田総馬は呆然と見つめる。


「楽しかったです。ご馳走様でした。」


無感情にそう言い和泉は食器を片付けに行く。


将来性も学歴も申し分ないのに、あの性格はなぁ、と和泉は思う。
世の女性にとっては優しくて爽やかで人懐っこくて大変良い男なのだろうが、和泉には無理だ。
受け付けない。

はぁ、とため息がでる。

大学でもめぼしい相手を見つけられないとなると、もう大手企業に就職して重役と寿退社を狙うしかないのか。


そんなことを思いながら、和泉は学食を後にした。