「私もう眠いです。寝ましょう総馬さん」
そう言って流れるように総馬を寝室へ連れて行く。
寝室は柑橘類の匂いがした。
和泉に引きずられるまま、フカフカのベッドに寝転がる。
腕にのしかかる頭一つ分の重さ。
総馬は顔を横に向けキスを一つ落とす。
触れるだけの軽いもの。
「いつも思い出すんだ」
「何をですか」
「一番始めに送られてきた写真」
生後数ヶ月の赤ん坊。
頭が異様に大きく、眼球が顔面からせり出していた。
左右の目があらぬ方向を見ており、身体はぐったりしていた。
同じ人間だと、一瞬分からなかった。
その赤ん坊は写真が撮られてから二年で亡くなった。
「もっと生きられたんだよなぁ」
「総馬さん」
「除草剤が無ければ」
「総馬さん」
「ぐっ」
気づけば、和泉が総馬の上に馬乗りになっていた。
そしてその細腕で総馬の首を絞めていた。
しかも形だけのものではなく、けっこう本気で絞めてきている。


