離婚をするにあたって、和泉の今後の生活費を工面しようとしたら「いらないです」と突っぱねられてしまった。
本音としてはありがたかったが、総馬にも男の意地がある。
新開発した除草剤。
収益は全てナムトの病院建設費用にあてる。
お金をつくる目処は立ってなかったが、それでもなんとかしようとした。
そしたら、パチンと軽やかなデコピンをもらった。
「無い人から搾り取るほど私はがめつくないです」
「……今までの和泉の人生振り返ってみなよ」
「とにかく、慰謝料とこの家がもらえたんですからもういいです」
そう、キッとした目元で言われた。
だいぶ大人びた彼女だったが、怒ってもやはり美人は美人だ。
総馬は額を撫でながら、それでも粘った。
「でもなぁ、」
「でもじゃないです。というか、総馬さん鏡見てます?目の隈ひどいのでさっさと寝てください」
そう言ってグイグイ背中を押される。


