何を聞いても何も答えない和泉に話のネタはないと見限ったのか。
それとも黙ったまま写真を撮り続ける和泉を気味悪く思ったのか。

マスコミは日に日に減っていった。
半年経ってもまだつきまとっていたマスコミには予定通り損害賠償請求をした。
毎日撮り続けた写真やビデオ、電話履歴により賠償金を受け取った和泉。

ついでに弁護士費用も相手に負担させ、和泉は金だけ受け取って帰った。

あれ以来、和泉はブラックリスト入りしたのか取材はパタリと来なくなった。

寺田総馬の彼女、という存在についてマスコミが触れることはもうないと思っていたが。
しぶとい人たちだなぁ、と思いながら和泉はテレビ画面を見る。


『これはまぁ、人それぞれだと思いますけどねえ』

『皆がやっているから自分もやるというのとは違いますしね。特に反TS活動は』

テレビではコメンテーターたちが波風立たないようなふわふわしたことを言っている。
番組としても和泉を糾弾する流れには持っていきたくないようだ。

やはり、和泉はそれなりに警戒されているのだろう。