『自分勝手でワガママで自己中心的で。人のことを平気で利用する。そういう人です、彼女は』


にこやかに。
一息で言い切ったその姿に、和泉は持っていたペットボトルを思わず握りつぶしていた。

「へぇ……」と呟けば、隣にいた大谷が噴き出した。
反射的にキッと睨みつける。


「総馬ってけっこうおもしろい奴だったんだな。全国放送のテレビで自分の彼女についてあそこまで言うなんて」


クックッと笑いながら枝豆をつまむ大谷。
和泉はじっとテレビを見つめたまま新しく淹れたホットミルクを飲む。

日曜の午後。
突然大谷が酒を持ってやってきた。
和泉も大谷も酒は好まない。
総馬のためにビールを買ってきたのだと言う。


「二十四だもんな、総馬も。二十代はあっという間だ」


大谷は寺田総馬の誕生祝いのためにやって来たのだ。
わざわざ酒と、ちょっとお高めの生ハムを持って。

去年は宅配でプレゼントを送ってくれたのに、今年はわざわざ家まで訪ねてきてくれた。
だが、残念ながら寺田総馬は不在だった。

反除草剤活動の一環、広報活動としての、テレビ出演。
大谷が訪れた時、生放送のそれは既に始まっていた。