コトコトと、一定の間隔でスープが煮える音がする。
こってりとした香り。
ジャガイモとカボチャの匂いがほのかに香る。
少し節約して鶏のササミを使ったが、十分に美味しそうだ。
牛乳を入れたから、鍋の側面に白いものがこびりつく。
和泉はゆっくりとスープをかき混ぜ、具の様子を見る。
そろそろかな、と思いスプーンで潰しておいたアボカドを投入する。
アボカドのポタージュ。
アボカド好きの和泉の好物だ。
少し味見をして塩加減を調節している時、ガチャリと玄関の方から音がした。
「ただいまー」
少し掠れた低い声。
寺田総馬が帰ってきたのだ。
和泉は火を弱火にしてパタパタと玄関へ歩く。
「おかえりなさい」
寺田総馬が院へ行き、和泉は無事三回生になった。
お互いに借りてた部屋の更新時期が来て、ルームシェアでもするかという話になったのだ。
和泉としては自分のスペースに他人が居るというのは不快極まりないのだが、寺田総馬の日常は非常に多忙だった。
研究に活動にレポートに追われ、一週間のうちで家で寝ることよりも大学で寝ることの方が多いくらいだ。
ほとんど一人で過ごせるのに、広い家に家賃半分で暮らせるのであれば和泉は上機嫌で了承した。
ほどよく煮込まれたポタージュを分けテーブルに並べる。


