「無駄だっていうんですか?私たちがやってることが」

「まぁ、無駄ですね。」


国は絶対に自分たちの非を認めない。
謝ってはいけないのだ。
和泉の国は、そういう立ち位置にいる。

だったら、国に非を認めさせるよりも前にやるべきことがあるだろう。


「ナムト国の人々のことを考えるんだったら、もう国民全員ナムト国から移住させるべきでしょう」


汚染された土地だと分かっているのなら、もうそこに住まわせない。
浄化するのにも何百年かかるのか分からないのだ。


「それから、将来的に障害が身体に出てくると分かってるんですから、それをケアする専用の施設をつくるとか」


「今ナムト国で生きてる人達はもう手遅れだってことですか?」

「実際そうでしょう。寺田さんの話から推測するに四年間もあの除草剤を身体に取り入れ続けたらタダでは済まないって私は思いましたけど」


島光は黙った。

和泉の意見は極論だ。
はっきり言って、不可能。
国民全員を移住だなんて無理だし、何より今ナムト国は敵国という位置なのだ。

戦争が終結したとしても、和泉の国が勝ったわけではない。
だからナムト国に介入できないのだ。
強制移住など、させる権限もない。