あの空も、この大地も、その緑も。


君のその澄んだ瞳には、どう映っているのかな。

私にはいたってふつうに見えるこのすべてが、君にとっては違うものなんだろうね。

ふつうの世界で生きている私には、その色彩を想像することはできないけれど。

きっと、きらめいたなにかがあるんだろう。


だから君の瞳は輝いていて、いつだって生きている。

例えば、そう。

私にとってじめじめと降る雨は、じめじめとした雨でしかないけれど。

君にとってそれは、天から溢れた賜物なのかもしれない。

例えば、ほら。

私にとってカーテンは、なびかされているように見えるけれど。

君にとってそれは、カーテン自らが踊るように見えているのかもしれない。


不思議だね。

光を通すレンズが違うだけで、そんなにも世界は変わるものなんだろうか。

私には私の瞳があるから、君の瞳を覗くことはできても、君の瞳で見ることはできない。

それでも、それでも想像したいんだ。

その素敵なエネルギーで満ちたなにかを。


君は知らないだろう。

そのすべては、君にしか見えていないことを。

どうかそれを、特別だと思ってほしい。

君にしか見えていないその世界は、とても特別だってこと。

君の瞳に映るものすべては、幸せで溢れているはずだから。


でも、君は知らないんだ。

気づいてないんだ。

知ってほしい。

気づいてほしい。

だけど。

それを知らない君だからこそ、汚れのない無垢な笑顔が浮かぶのかな。


やっぱり君は、ずっとそのまま笑っていて。


ほら、私もこのふつうなはずの世界で笑っているでしょう。

君の瞳は、永遠神秘。