「そういえば今日の朝、見ちゃったんですよ。
ヒヨリンが男の人の車に乗って通勤してくるところ!」

「…え!?」

かなりの驚き。というか、にわかには信じられない。

香織の見間違いではないかという思いの方が圧倒的に大きい。

「言っておきますけど見間違いなんかじゃありませんからね。
私のほかにも見た人がいるです。

運転してた男の人ははっきりとは見えなかったですけど、イケメンっぽかったですよ」

「へ、へー…」

我久の頭は大混乱だった。関係を隠さなければならないというのに、動揺していることがバレバレだ。